お役立ち情報

お得意様を作る営業

  • 業種 介護福祉施設
  • 種別 レポート

営業施策を前進させる営業計画(後編)

  • 介護施設における稼働率向上実務のポイントシリーズ。
  • 営業計画づくりの続編として、営業成果を高めるための使い方、営業行動の管理ツールとしての使い方を学ぶ。

「無駄なく効率的に営業活動を進めるツール」としての営業計画

前回は営業活動は実践こそが難しいとして、営業計画を用いた営業の時間づくりを提案した。具体的には、営業活動を阻害している要因の一つが現場におけるイレギュラーな業務であるとして、営業計画を行動管理と分析ツールとして活用し、次に同じ事象が起きても対処できるようにすることだった。

今回は別の切り口によるアプローチについて考察する。

なぜ営業活動を計画的に行う必要があるのか。それはシンプルに営業に力を入れると業務量が多くなり、「適当に空いた時間に済ませてしまおう」という感覚ではこなしきれないためである。

隙間時間を有効に使いながら、計画的にコツコツと進めていかなければ、目標としている数に到達できないのである。そうすると、必要になるのが動作効率の視点であり、どうせ訪問をするのであれば地理的に近い訪問先同士を同日にまとめて行くなどの工夫が必要になる。

そのような意味でも、前回お伝えしたように営業計画には何月何日に、どこに訪問をするというように訪問先まで書き込めるような形式にし、一日のうちで最大限の訪問先を稼げるような計画を事前に立てておくことが望ましいと言える。

本シリーズで述べてきたことは、営業はまんべんなく回るのではなく、強弱をつけて、関係性を深く持てそうな先に厚く(繰り返し)訪問をするような形式が望ましいということであった。

それはつまり、回数を重ねるごとに、営業訪問先は闇雲に見繕うのではなく、狙いすました先に訪問をするという機会が増えるということである。しっかりと計画書を準備し、訪問すべきリストをルートから検討したうえで、限られた動ける日程の中に落とし込んでいかなければならない。

営業活動の効率化は、営業計画書の準備から始まるのである。

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訪問先管理シートと営業計画は常にセットで

このように重点営業先を徐々に絞り込んでいく営業とは、言い換えると「お得意様」を増やす営業方法であると言える。お得意様とは、お互い十分に顔見知りであり、好印象を持っていただき、すでに実績として複数の紹介をしていただけているような先である。

浅く広く、自施設の名前くらいしか知らない先を 300 か所作るよりも、新規ケースが入手される都度、利用する介護サービスについて相談を持ち掛けてくれるような先を 10 か所作る方が、よほど稼働率の向上に寄与してもらえることになるという考え方だ。

そのうえ、そのような訪問先が増えると安定的な紹介をもらえるというだけでなく、営業時間の短縮にも繋げられる。懇意にしている訪問先であれば、訪問時「お困りごとはないですか」と聞いて、なければすぐに帰ってくればよい。滞在時間1 分で営業を終えられるのだ。毎回営業訪問の都度、施設や法人の紹介や、サービスの特色を、興味もない相手に長々説明をしなければならない時間こそ、営業件数を上げることを阻害する大きな要素となっていたのである。

つまり、効率的で成果につながる営業活動を行うためには、お得意様を作る営業をしなければならない。お得意様を作るには、好感触を得られた訪問先、実際に紹介をいただけた先の状況についてきっちりメモを残し、次の訪問に活かされていかなければならない。

そのためには、営業計画書と訪問先管理シートはセットになって管理をされていなければならないことに気づくはずである。営業計画に記載された訪問先は別紙の管理シートに状況が記載され、訪問時の感触や紹介実績、ケアマネジャーの在籍人数、過去の接触回数などをもとに訪問先を精査できるようになっていることが望ましい。

次回は、営業計画・管理の延長線上にある顧客管理シートについて考察する。計画に従って行動した結果を顧客管理シートの使い方次第で成果に繋げる方法をお伝えする。

レポートの執筆者

沼田 潤(ぬまた じゅん)
株式会社 日本経営 介護福祉コンサルタント

株式会社の運営する介護付き有料老人ホームにおいて介護職員から施設長までを経験後、北京に駐在し海外事業にも従事。2015年に日本経営に入社、主に介護施設における稼働率向上支援、介護サービスレベルの底上げ支援などを担当する。介護福祉士。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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